ウシマンボウ
和名
Mola alexandrini (Ranzani, 1839)
学名
Bumphead sunfish
英名
フグ目 - マンボウ科 - マンボウ属
分類
全海域
分布
全長
拡大写真
Sony NEX-5
撮影地:バリ(インドネシア)

拡大写真
Sony NEX-5
撮影地:バリ(インドネシア)
非常に特徴のある形をしています。サメに襲われたら、とても逃げれるようには思えないのですが、それでも最大で3m近い大きさになります。どうやって逃げているのでしょう?
これまでマンボウとして掲載してきましたが、2010年にウシマンボウという和名が提唱され、2017年に学名が定められたことから、改めて写真を確認したところウシマンボウであることがわかったので変更しています。ウシマンボウは頭と顎の部分が突き出ることと、体の後ろ端に凹凸がないことからマンボウと区別することができます。ただし小さい個体では区別は難しいようです。マンボウの仲間は、もう一種カクレマンボウが2017年に提唱されていますが、南半球に生息するので日本近海で見かけることはありません。
マンボウやウシマンボウは本州のダイビングでも見られるようですが、頻度はかなり低いようです。 インドネシアのバリでは7月~9月にかなりの確率で見ることができます。水温は低めを好むのか、バリで見かけたときにはいずれも水温は20℃程度でした。ゆっくりと近づくようにすれば、かなり近くまで寄ることができます。ただし撮影時にフラッシュを使うと、すぐに逃げてしまいます。バリで見かけたのはすべてウシマンボウでした。
ハタタテダイの群れがマンボウを全員でクリーニングしていたことがありましたから、マンボウには相当の寄生する生物がつくのでしょうね。ツノダシなどもクリーニングしていました。いろいろな魚がクリーニングするようです。場合によっては、水面に浮かんで鳥にクリーニングしてもらうこともあるそうです。
長崎大学の研究で、200m近くの深く冷たいところと、水面近くの暖かいところを一日に何度も往復することが分かっています。深いところで餌を食べて、体が冷えたら水面に上がって暖まるということを繰り返しているようです。
マンボウは3億個の卵を生み、そのうちの2匹程度しか生き残らないという話が有名ですが、これは間違った認識が広まっただけで正しくないというのが本当のところのようです。3億個というのは100年前の論文によるもので、しかも実際に産卵されたものではなく卵巣内にあったものを推定した値でありながら計算方式が今では不明のままになっていることや、論文では未成熟卵となっているが現代では成熟卵しかカウントしないため3億個というのは間違いと言えそうです。
実際に産卵される数をカウントするのは非常に難しいことや、其の中から生き残った数をカウントするのも不可能に近いことから、現在でも実際にマンボウが何個の卵を生んで、どの程度生き残るかは不明のままです。
※海遊館のHPでは、マンボウの卵の数は8,000万個(生んだ数ではなくて、卵巣に持っていた数)とされています。それでも魚類でナンバーワンのようです。
マンボウは卵の数だけでなく、重量もナンバーワンです(ただし硬骨魚の中で)。2018年のギネスブックには千葉・鴨川で採取された2.72m、2.3トンのウシマンボウが世界一重い硬骨魚として認定されています。
※硬骨魚とは、エイやサメなどを除いた魚のことなのでジンベエザメ(魚類最大)は含まれません。