MODはMaximum Operating Depthの略です。ナイトロックスのダイビングにおける最大潜水可能水深です。ようするに何mまで潜って良いかを意味します。

MODとは?

ナイトロックスのダイビングでは、私たちが普段呼吸する空気よりも酸素濃度を上げ、窒素の濃度を下げたエアを使用することにより、減圧症の危険を下げることが出来ます。

しかしながら、深く潜ると酸素濃度が高いエアを使用しているがゆえの別の危険性がでてきます。それは酸素中毒です。酸素中毒は、通常の空気を使用したダイビングで深く潜った場合に発症する窒素酔いとは比較にならないぐらい危険です。人間は、酸素の分圧が1.6気圧を超えたエアを呼吸すると酸素中毒の危険性が高まります。

例えば、水深30mでは4気圧のエアを吸うことになりますが、通常のエアの場合、酸素は約20%なので、酸素の分圧は4気圧の20%、すなわち0.8気圧となります。

これが、酸素が30%のエアの場合ですと、4気圧の30%ですから1.2気圧となり、危険性が高くなってきます。ナイトロックスの場合に、酸素中毒に気をつけなればいけない理由が理解できると思います。

MODの値は、この酸素分圧のリミットをいくつに設定するかで変化します。通常は安全を考えて、1.4とか1.5で設定することが多いようです。酸素分圧のリミットが決まれば、あとは酸素濃度によってMODが決まります。

ダイビングでよく使われる酸素濃度は32%(EAN32)とか36%ですが、仮に32%で酸素分圧のリミットを1.4に設定すると、MOD = (1.4 / 32% - 1) * 10で33.75mとなります。つまり32%のナイトロックスを使う場合、33.75mよりも深く潜ってはならない(リミット1.4の場合)ということになります。

ちなみに上記については、ナイトロックスの講習を受けると教本に書いてあります。