水中写真のためのデジタルカメラと防水ハウジングを購入してからのメンテナンス等についての情報です。

これまでの自分の体験からの情報なので、実際にここで記載していることが正しいかどうかは不明です。ひょっとしたら、ちゃんとした正しい方式があるのかもしれませんが、とりあえずこれまで問題なかったということで、ひとつの情報として役に立てられればと思います。

Oリングのセッティングなどについて

防水ハウジングには蓋(もしくは本体)の部分にOリングと呼ばれるゴムが付いています。このOリングが防水の要となっています。Oリングは水圧がかかると変形してハウジングに密着します。水圧の力でゴムがハウジングが密着することで、水が漏れるのを防いでいます。

O-Ring2
ハウジングにはOリングが使用されています
O-Ring
水圧でOリングが変形して、ハウジングに密着します

ハウジングのセッティングでは、Oリングにグリスを塗るのですが、このグリスはOリングの変形がスムーズする役目を持っています。グリスそのものが防水の役目を持っているわけではないので、大量に塗っても防水性は高まりません。かえってゴミがつきやすくなってしまいます。

Remove

まずOリングにグリスを塗るためにハウジングから外す必要があります。爪などで強引に外そうとすると、ゴムにキズが付いてしまうことがあるので注意が必要です。Oリングを外すための道具として、Oリングリムーバーというものが売っていますが、薄いカードなどでも代用できます。ハウジングによっては、Oリングが外しやすいように切り込みが設けられているものもあります。

グリスを塗るには親指もしくは人差し指に米粒ぐらいのグリスを塗って、Oリングを親指と人差し指ではさみながら、塗り伸ばしていきます。数回ぐらい回せばOKです。

別な方法としてジップロックに米粒ぐらいのグリスを入れて伸ばしておいた上で、Oリングを中に入れるというのもあります。この方法だとグリスが無駄にならなくて良いと思います。
※この方法で塗っている人を見たことが殆どありませんが...

購入した直後であればOリングにはゴミがついていないので、そのままグリスを塗っても良いと思いますが、ダイビング後の場合には砂などが付いていることがあるので、グリスを塗る前にOリングのゴミを取り除いておきます。

またOリングをハウジングを付ける前に、Oリングをはめる溝と反対側のOリングが当たる場所のゴミを取り除いておきます。ティッシュなどで拭いてもいいのだとは思いますが、ティッシュそのものからゴミが出る可能性もあるので、私はレンズクリーニングペーパーを使っています(Oリングのゴミを取り除くのにも使っています)。

Oリングを取り付けたら、カメラを中に入れた上で蓋を閉じてロックします。このときにOリングがはみ出ていないか、何か挟み込んでいないかを確認しながら蓋を閉じます。

Closing
これはNGです
Closing2
毎回ちゃんと確認することが重要です

一度だけ、紐がはさまっているのに気づかずに、左上の写真の状態のまま蓋を閉めたことがあります。幸いに蓋を閉めた後にチェックしたときに気づきましたが、そのまま潜っていたら水没していたところでした。皆さんも注意してください。

またOリングも使っていると段々とゆるくなってくるため、蓋を閉めるときにリングが溝から出てきてはみ出たまま閉めてしまうことがあります。以前に沖縄でカメラを水没させたダイバーと会ったことがあるのですが、その原因がOリングがちゃんとはまっていなかったからだったと言っていました。

購入直後からはみ出てしまうことはないのですが、使っているうちにある日突然、はみ出るようになったりするので、毎回のチェックが重要だと思います。

グリスを塗る頻度ですが、ダイビング後には蓋を開けてバッテリーを充電すると思うのですが、数回に一回ぐらいでいいと思います。私の場合は3日に一度ぐらいで塗りなおしています。

グリスについては必ずメーカ指定のものを使うようにしましょう。以前にINONのストロボとCANONのハウジングを使っていた時に、面倒だったのでINONのグリスを両方のOリングに塗ったところ、CANONのハウジングがとても曇りやすくなったことがあります。おそらく微量な水漏れが発生していたのだと思いますが、このように防水性が十分に発揮されなくなることがあります。また組み合わせによってはOリングが伸びてしまうことがあります。

曇らないようにするために

防水ハウジングで水中写真を撮影していると、レンズが曇ってきてしまうことがあります。対策としてはいろいろな方法があると思いますが、いくつか考えられるものを紹介しておこうと思います。レンズが曇るのは、内部の温度と水温の差から、ハウジング内の水分が結露するためなので、これらの原因を取り除くことになります。

よく知られているのが除湿剤(シリカゲル)をハウジングの中に入れるというもので、ハウジング用シリカゲルも発売されています。ただハウジング用のものはちょっと値段が高いようです。私自身はシリカゲルを使ったことがないので効果は不明です。

ハウジング内に水分を入れないようにするためにも、Oリング等のセッティングは重要です。水没しないまでも、ごく微量の水(例えば数滴の水)が入るだけでも、とても曇りやすくなります。バッテリー充電のために蓋を開けた時などは、Oリングや反対側に付着した水滴は拭きとっておくと良いと思います。

Oリングの防水は、水圧をかかることによってはじめて有効になるので、エントリー時にはカメラをあとからスタッフに渡してもらうのは有効だと思います。といっても、ポイントによってはスタッフからもらっている余裕がないことがありますが、ロールバックエントリーで船がゾディアックのような水面からの高さが低い場合、エントリー前にあらかじめ片手でハウジングを水中につけておくという方法があります。

水中ではハウジングに無理な力を加えないことも重要です。無理な力がかかるとハウジングが歪んで、微量の水が入ることがあるためです。水底に着底するときに手をつかずにハウジングを使ったり、岩場から離れるときに手を岩につけるのではなくて、ハウジングを介して岩を押したりするのは避けたほうが良いでしょう。

デジタルカメラは通常オートパワーオフの設定がついています。水中で使っていると知らない間にOFFになってしまうからといって、ずっとONになっているような設定にすると、カメラ本体の温度が上昇して曇りやすくなります。最近のカメラは節電の性能があがってきているので、問題なくなっているかもしれませんが、以前に古いカメラでオートパワーオフを切って使ったところ、あっという間に曇ってしまったことが有りました。特に動画撮影は本体が熱くなりやすいので、こまめに電源を切るなどのケアが必要になることがあります。

ボートでポイントに移動する際には、ハウジングを直射日光にあてないようにしたほうがいいと思います。南国の日差しは強力なので、ハウジングの温度が上昇して曇りやすくなる可能性があります。エントリー前もカメラ用のバケツの中に入れているダイバーがいますが、その方が曇りにくくなると思います。

ハウジングが曇るときには、大抵の場合レンズ前の部分が曇ってしまうので撮影ができなくなってしまいます。応急処置としては、グローブを外して親指でレンズの中央部分をおさえて体温で温めます。10分ぐらいおさえておくと曇りが取れてくることが有ります。カメラの電源はOFFにしておきます。

その他

セッティング後は、陸上で一度試しに写真を撮影しておくことをお勧めします。水中で何かトラブルに気付いてからでは遅いですからね。一度、外部ストロボの内部の蓋を付け忘れたままダイビングに行ってしまい、ストロボが使えなかったことが有りました。陸上でチェックしていれば、気付いたのにと後悔したことがあります。

防水ハウジングをBCの蓋のないポケットに入れる場合、コードでつないでおくことをおすすめします。以前にカメラをポケットに入れてエントリーして、しばらくしてカメラを取り出そうとしたときには、ポケットから無くなっていたことがありました。このときは陸上ではしっかりと奥まで入れておいたのですがダメでした。これ以降は、必ずコードでつないでおくようにしています。

半分、失敗談のような内容になってしまいましたが、少しでも参考になれば幸いです。