G10ハウジングとカメラ本体(+ウェイト)

Canon Powershot G10による水中撮影のレポートです。

G10はCanonのコンパクトデジカメのシリーズの中ではフラグシップにあたるモデルで、Gシリーズとして2000年に発売されたG1から続いています。現在はG15がリリースされています。G10は高級コンパクトといわれるジャンルの中では、数少ない純正ハウジングが用意されているモデルでもあります。

G10そのもののレポートは、他のHPにもたくさんあると思いますので、ここではハウジングを中心にG10の水中撮影についてのレポートをしたいと思います。

G10の基本仕様

G10は2008年の10月から発売されました。撮像素子は1/1.7型のCCDで、一般的なコンパクトデジカメで使われている1/2.3型よりも一回り大きなサイズです。レンズは28mm~140mm(35mm換算)の、F2.8~F4.5です。画素数は1470万画素もありますが、画像処理にDIGIC4と呼ばれる一眼レフにも使われているチップを搭載しているせいか、とても素早く動きます。RAW撮影にも対応しているし、マニュアル設定も豊富にできるなど、さすがフラグシップモデルといった感じです。ただし、G10のボディはコンパクトデジカメの中では、かなり巨大な方だと思います。

なお現在、販売されているのはG15です。
現行のG15とハウジングの値段比較(楽天市場編)

ハウジングについて

G10のハウジングは特にレンズをカバーする部分がかなり大きく、全体としてもコンパクトデジカメのものとは思えないぐらいの大きさがあります。なんとかBCのポケットには入れることができましたが、とりだすのも一苦労という感じでした。拡張版はハウジングと一体化されていなく、レンズの部分にはめ込むようになっています。この分、取り回しがちょっと悪くなっています。いまのところ、大きな問題はおきていませんが。

上からの写真。レンズがけっこう出っ張っています。
上のダイアルで撮影モードを切り替えます
収まり具合。ほとんど隙間はないぐらいです。
下に付いているウェイトは別売りです。

単体ではカメラを入れてもかなりの浮力があり、純正のウェイトをつけることが推奨されています。実際、かなりの浮力があるので、ダイビングで使う場合には付けておいたほうが良いと思います。シュノーケリングではなくても特に不便を感じませんでした。

基本的に水中ですべての操作ができるようになっています。ただし、コントローラーホイールだけはハウジングから操作できないため、Sキーを押しながら矢印ボタン押すことで対応できるようになっています。水中で何度かやってみましたが、撮影時に絞りを変えようと、Sキーを押しながら...というのは結構時間がかかる作業で、よっぽど余裕がないと難しいです。それでも、変更できるという安心感はありますね。

撮影モード、露出補正とISO感度は陸上同様に水中でもダイアルで変更できるので、かなり素早く出来ます。特に撮影モードにカスタム1、カスタム2が用意されているので、事前に撮影パターンを想定して設定しておけば、水中でも切り替えは簡単に出来ます。これまでいろいろと試していますが、カスタムには被写界深度を稼ぎたい場面用に絞りを絞った設定と、ブレ防止にシャッタースピードを上げた設定をそれぞれ入れています。

ボタンについては電源ボタン(白色)とシャッターボタン(黄色)を間違えることが良くあります。形状が多少違うのですが、ダイビングでグローブをはめていると違いがわかりにくくなります。いまだ!と思ってボタンを押して電源OFFになったことが何回かありました。けっこうショックです...

液晶側の写真。
ISO感度、露出補正ともにダイアルで変えられるのは便利です
かなり大きいレンズ面
曇り防止のために二重になっています。

レンズ面は二重にして曇り止め対策がされています。これまで水温27℃ぐらいにしか潜ったことがないので、効果についてはまだ実感できていませんが、いまのところ乾燥剤なしで問題はほとんど起きていません。

開閉の部分にはロックが付いています。ロックをOPENの方向にスライドさせながら、レバーを引くと外れます。ダイビング後は裏蓋が密着して開けにくいことがありますが、レバーをそのまま目一杯引くと、てこの原理で少し裏蓋が開くようになっていて便利です。

ハウジング+本体(電池、メモリ込み)+ウェイトで1.2kgぐらいでした。まぁこのぐらいなら持ち運びは楽ですね。

ロックの部分

全部で1.2kgぐらいです。
(フラッシュの前のマジックテープは外部ストロボ用)

ハウジングの欠点としては拡張性の無さが上げられます。レンズにねじが切ってないので、ワイドコンバーターなどを装着することができません。またオリンパスや富士フィルムのような外部ストロボ用にストロボ光をピックアップするための場所も用意されていません。それでもフラグシップということもあってか、Fisheyeなどからはワイドコンバーターがリリースされています。

水中でフラッシュをすべて使って250枚位撮影したあたりで、バッテリーの警告が表示されました。毎日充電すれば一日は持ちそうです。

一年ほど使ったあたりから、シャッターボタンなど一部のボタンの動きがスムーズでなくなり、深く潜ると押しっぱなしになってしまうことがあるようになりました。使用後は真水で塩抜きして、その際にはボタンも何度か押したりして、ちゃんとメンテナンスしておいたほうが良さそうです。

作例(内蔵ストロボ編)

ヨスジフエダイにうまくストロボ光があたって、鮮やかな黄色が写せたと思います。


28mm F2.8 ISO200 1/60 内蔵ストロボ
撮影地:モルジブ
体色がきれいなイトヒキアジです。海の青色がきれいに出ていると思います。いくつか見える白の点はマリンスノーです。
28mm F4.0 ISO125 1/100 内蔵ストロボ
撮影地:パラオ

この写真はうまくいかなかった例です。太陽光がまともに当たっている環境では、うまく色が出てくれません。岩の白い部分なども白とびしてしまっています。このようなシーンは、コンパクトデジカメではうまくいかないのかもしれません。

この写真ではフラッシュはON(調光補正-1)ですが、OFFにしてもうまくいきませんでした。


28mm F4.0 ISO80 1/80 内蔵ストロボ
撮影地:パラオ

ストロボ拡散板があるとはいえ、近い被写体を撮影する場合、下のほうまではストロボ光は回らないようです。この写真だと上半分しか色が出ていません。

またストロボ光はけっこう強力で、近い被写体の場合、白とびしてしまうことがあります。この写真では、ストロボ調光補正を-1/3としましたが、背中の部分が少し白とびしてしまいました。


28mm F2.8 ISO200 1/60 内蔵ストロボ
撮影地:モルジブ
シュノーケリングでの撮影です。以前のデジカメでは、水面近くの魚を撮ろうとするとコントラストが出ず、うまく撮影できなかったシーンですが、G10にしてからは撮影できるようになりました。AFも的確に捉えられています。
100mm F5.0 ISO80 1/125 内蔵ストロボ
撮影地:モルジブ

近づくのが難しいアオマスクを撮影するためにテレ端で撮影しました。少しでも絞り込まれるようにISO感度を400に設定しての撮影です。

AFがうまく捕らえられていないようで、被写体が少しボケています。このときは7枚撮影しましたが、いずれもAFが被写体にきませんでした。1470万画素あるといはいえ、それを生かすぐらいにピントを合わせるのはなかなか難しいです。

ストロボ調光補正を-1のまま撮影したこともあってか、ほとんど当たっていません。ストロボ調光補正の切り替えはメニューからやる必要があるので、なかなか水中で変更するのは面倒です。


140mm F4.5 ISO400 1/60 内蔵ストロボ
撮影地:パラオ
上の写真はマクロモードをOFFにして撮影しましたが、10cm程度の魚を撮影するときにはAF測距モードをマクロにした方がクッキリ写るようです。通常モードでもピントがOKの表示がでて撮影できますが、後で拡大して見てみると少しボケていることが多いです。右の写真はマクロモードをONにして撮影しましたが、このほうがピントがしっかり合う確率が高いような気がします。
115mm F5.6 ISO125 1/250 マクロモード
撮影地:マラトゥア

シュノーケリングでの撮影です。魚図鑑用に細部まではっきり写したかったため、テレ端でシャッタースピードを高めにして撮影しました。

水深1mぐらいだったので、ストロボは不要かな?と思い非発光にしてみたのですが、かなり軟調な仕上がりになってしまいました。


140mm F4.5 ISO100 1/320 非発光
撮影地:パラオ
Digital Photo Professional(付属のソフトウェア)のトーンカーブ調整機能で、レベルを調整してあげるとコントラストがでてきます。RAWでの撮影だと、調整の余地が残るところがうれしいですね。
DPPでレベル補正
拡張性

ワイドコンバーター

純正はありませんが、Fisheyeから発売されています。本当は、水中アタッチメントレンズがあればいいのですが...

FIX DC-28 ... 新品で2万5千円ぐらいです。

値段比較(楽天市場編)

外付けフラッシュ

G10 + INON S-2000 + グリップベースD4セット

INONのS-2000を使っています。通常は光ケーブルで外部ストロボとハウジングを接続するのですが、G10のハウジングには光ケーブルを取り出すところがありません。一応、INONのS-2000はケーブルレスのミラーをつかった同期に対応していますが、私は10barというメーカのものを使っています。この商品については、えにぐまさんのブログで詳しく報告されています。

S-2000にははじめるパックというのがあって、グリップベースD4セットとS-2000が組み合わさったもので、これだけでシステムを構築できます(S-2000には拡散板とミラーも付いています)

 

 

S-2000はじめるパック ... 新品で5万円ぐらいです。

値段比較(楽天市場編)

作例(外付けフラッシュ編)

ここからはG10+INON S-2000+グリップベースD4セットによる作例です。

さすがに外部ストロボ使うと光が全体にあたってくれます。S-TTLオートが使えるので、すべてオートで撮影できます。


28mm F5.6 ISO200 1/60 外付けストロボ(S-2000)
撮影地:フィリピン

外部ストロボを使うと、ストロボの照射角度を取れるためにマリンスノーを軽減できると言われていますが、グリップベースD4セットはコンパクトということもあって、あまりアームが長くありません。内蔵ストロボと比較しても、あまりマリンスノーは軽減されませんでした。

写真中、白い点がマリンスノーです。結構出てますよね。


28mm F5.6 ISO250 1/60 外付けストロボ(S-2000)
撮影地:フィリピン

ほとんどS-TTLオートで撮影できますが、白い体色の魚を撮影すると、どうしても白とびぎみになります。

外部ストロボのS-2000ならレバーでオート、マニュアルの切り替えや、発光量の調整ができるので、やはり内蔵ストロボよりも使いやすいと思いました。


28mm F5.6 ISO250 1/80 外付けストロボ(S-2000)
撮影地:フィリピン

S-2000は小さいながら、発光量は十分ありますが、それでも離れてしまうと、ほとんど光があたらなくなってしまいます。外部ストロボといっても過信は禁物ですね。


28mm F5.6 ISO250 1/60 外付けストロボ(S-2000)
撮影地:フィリピン