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2005年GWに乗船したガラパゴスアグレッサーⅡの旅行記です。ダイビングポイントや上陸の様子を書いてみました。

今回のクルーズのルート

旅行前

ガラパゴスがすごいらしいということは、ダイビングを始めて暫くしてからどことなく聞いていたのですが、日数がとてもかかるし水温も凄い冷たい。さらにはクルーズ船なので船酔いが厳しいかもしれないということで、ほとんどいける気がしていませんでした。それでも、ハンマヘッドシャークの群れが間近でみられるという話、特に「ハンマーはガラパゴスで飽きるほど見たからもういい」なんて話も聞いたことがあって、ほんとうにそんなに凄いの?私もそんな風に言えるようになりたい!ということで、やっぱり行きたいなぁと思うようになり2002年の後半ごろから検討を始めました。

フリーウェイツーリストなどに問い合わせてみると、海況が安定するのは12月~5月、ジンベイは6月~9月だけれども水温が低くなり海も不安定になるということで、GWぐらいが休みも取れるし良さそうです。

日程がうまくあいません。アグレッサーは日本人向けにスケジュールを組んでいるわけではないので、かなりの有給休暇が必要ですし、そもそもチャータされていることが多いのか、空席のある日がほとんどない状況。そうこうしているときに、クラブアズールで2005年のGWにガラパゴスアグレッサをチャータしてツアーを催行するという話を聞き、即刻申し込むことにしました。

さて、水温がとにかく低いということなので、ウエットを新調することにしました。裏が起毛タイプの5mmウエットに、同じタイプのフードベストを組み合わせにしました。

1日目

コンチネンタル航空(CO6)にて、成田(15:45発)からヒューストン(13:45着)へ。成田ではクラブアズールの青木さんが見送りに来ていました。ヒューストンでは入国審査を経て、預け荷物を一度受け取り、税関を通過してから、乗り換えカウンタに向かいます。ここで預け荷物を預けなおします。コンチネンタル航空(CO1210)にて、ヒューストン(17:45発)からエクアドルのキト(20:49着)へ。キトで一泊(ヒルトンコロン)します。このヒューストンからエクアドルに向かうところで、ロストバゲージが頻発すると聞いていたため、大切な荷物は手荷物として持ち込んでいました。本来手荷物は1個までなのですが、一方が紙袋ならおみやげみたいで何も言われないかと思いリュック+紙袋で持ち込むことにしました。ツアーの人達のなかには2個のバックで来ていた人も居たのですが、問題なくチェックインできていたようです。またチェックされないようにリュックもさほど大きくないものにしておいたのですが、巨大なリュックで来た人も、往路のキト→ガラパゴス以外では持ち込めていたようです。結局は、私たちの荷物は無事キトに到着していました。でも今回のツアー客の中では1名の荷物が届かなかったようです。クラブアズールの同行スタッフはキトからの合流でした。

※コンチネンタル航空の太平洋便では預け荷物は32kg×2個までOKなのでかなり余裕がありますね。

2日目

エアロガル航空

早朝にホテルを出発して空港へ。アグレッサーのスタッフはキトの空港で迎えてくれました。エアロガル航空(2K30)にてキト(9:15発)からガラパゴス諸島のサンクリストバル島(11:30着)へ。

空港で、入島税として一人当たり$100を支払います(現金のみ)。

※キトからガラパゴス諸島へはタメ航空でも行けるようですが、預け荷物の重量制限が20kg×1個と厳しいのが難点です。エアロガルは35kg×1個なので大丈夫でした。

エアロガルのフライト時間はよく変更になるらしく、私たちも一週間ぐらい前に当初の予定よりも少し遅い時間になる旨の連絡がありました。この遅れのためなのか、空港でアグレッサーのバスに乗った後は、そのまま桟橋に行ってアグレッサーに乗船となりました。事前の予定では、ガラパゴスの博物館に乗船前に寄ることになっていたのですが、スキップされたようです。


港の様子

空港から港まではすぐに到着します。桟橋からはゴムボートでアグレッサーまで行きます。桟橋には、アシカが寝ていたりして、アグレッサーに乗る前から撮影モードに突入していました。港にはたくさんの小さな船が停泊しているのですが、その船の上にアシカが寝ていたりしていました。水面からそれなりの高さがあるのですが、どのようにして上がっているのでしょうか?

アグレッサーに乗船してからは、スタッフの紹介や船内の説明・案内があります。

この日のダイビングはロボス島(Isla Lobos)でのチェックダイブの一本のみでした。適正なウェイトを決めるのが目的のポイントで、ガイドも付きません。水深7m程度のポイントでアシカと遊べますが、透明度は良くないです。ほとんどの人はウエイトを決めたら、すぐに上がっていました。私たちがエントリするころには、すでに上がっている人達がいたほどです。確かに透明度は良くないのですが、ここのアシカはとてもダイバーにすでに慣れているのか、ガラパゴスのアシカは警戒心が薄いのか、すぐに近寄ってきます。擦り寄ってくるアシカなんかもいて、アシカ好きの私たちは、かなりの時間潜っていました。水温は25℃でした。

3日目

午前中はノースセーモア(North Seymore)でダイビング2本です。ドリフトダイビングで、途中にネムリブカの群れ。そのまま流されていくと、いろいろな魚が群れているところにでます。水温は26℃でした。

午後はノースセーモア島に上陸。ガラパゴスアシカ・ガラパゴスリクイグアナ・ウミイグアナ・アオアシカツオドリ・グンカンドリなどを見ることができました。アオアシカツオドリは、繁殖のシーズンなのか、いたるところで卵を温めている姿を見かけました。上陸見学の場合には、決められたコース内を歩かなければならないのですが、なかにはコース内に巣を作っているものもいました。近づいても、逃げないのでアップで写真を撮ることができます。ただしフラッシュは使用が禁止されています。

ガラパゴスの生物は、あまり警戒心が高くないので、グンカンドリやアシカにしても、すごく近くまで寄ることができます。中には擦り寄ってくるアシカもいるほどですが、ガイドの一人が突然目の前でガブリとアシカにかまれていたので、あまり近づきすぎないほうがいいかもしれません。


卵を温めている
アオアシカツオドリ

グンカンドリ

子アシカがかわいいです

上陸後、船に戻ったらすぐにウルフ島に向けて出発。ウルフ島の朝にダイビングをするためには、ノースセーモアを夕方前には出発する必要があるとのことだったのですが、ものめずらしさから写真を撮ったりでなかなか進まず、かなり遅れてしまいました。

※ガラパゴスには二種類(ガラパゴスアメリカグンカンドリとガラパゴスオオグンカンドリ)が生息しているそうなのですが、赤い袋を膨らませるオスの方の区別は難しいようです。メスの場合には目の周りに赤いリングがある方がガラパゴスオオグンカンドリです。

4日目

海況が良かったらしく、早朝にはウルフ島(Wolf Island)に到着。3本はShark Bay側で潜り、4本目はChimney Bayで潜りました。1本目では、ガラパゴスシャーク、ハンマーヘッドシャークが群れで見れ、イルカやマダラトビエイ、それからギンガメアジの群れ、最後にモブラ2匹とかなり充実したダイビングでした。ただサメの群れは遠くてビデオや写真には撮る事ができませんでした。1本目がかなり良かったので、期待して2、3本目と潜りましたが、うってかわって大物が現れず、見所のないダイビングになってしまいました。特に3本目の頃にはうねりが入ってしまい、すっかり酔ってしまいました。Shark Bay側は午後にはかなりのうねりが入ってきましたが、休むときは静かなChimney Bay側に停泊するので、食事などは大丈夫でした。4本目はレッドリップドバットフィッシュ狙いのダイビングです。すぐに見つかると思いきや、なかなか見つかりません。水深も30mぐらいあって、4本目では残留窒素の制限から、そんなに深くで探し続けることができなく、ガイドが探してくれているということで、浅めで待機することにしました。透明度が低い上に、すでに夕方ということで海の中はとても暗くなっていました。20分程度経って、ひょっとして見つからない?と思い始めた頃にガイドが見つけてくれました。急潜行して写真撮影、撮影したら、すぐに上昇してエグジットでした。水温は25~26℃でした。

ここでのランチは、デッキでのバーベキューでした。Chimney Bay側は静かでとてもいい雰囲気です。ウルフ島は断崖絶壁の孤島で、海鳥の楽園になっているようでした。のんびりと眺めていると、ほんとうに遠くまでやってきたんだなぁという実感がしてきました。

5日目

ダーウィンアーチ

ガラパゴスのダイブクルーズのハイライト、ダーウィン島(Darwin Island)でのダイビングです。ダイビングのポイントは、ダーウィン島の横にある、ダーウィンアーチ(Darwin's Arch)と呼ばれる小さな島の周りになります。一本目ではジンベイザメがでました。しかしハンマーが見られません。二本目は3匹のハンマーが安全停止前に出ましたが、一瞬でいなくなりました。三本目も大物なし。当初の予定では、ここで四本潜ることになっていましたが、内容が良くないために切り上げて、イザベラ島に早めに出発することになりました。水温は25~26℃でした。

ウルフ・ダーウィンともに透明度は、なかなか良かったです。セントラルエリアはたいていは透明度が悪く海の色も、きれいな青にはなっていませんでした。

6日目

イザベラ島(Isabela Island)のカボマーシャル(Cabo Marshall)ではマンタの確率90%とのことでしたが、一本目と二本目でみることができました。といっても、ちょっと遠くてしかもすぐにどこかに行ってしまったので写真・ビデオには写すことができませんでした。それにしても、クレオレフィッシュがどのポイントにもたくさんいます。クリーニングはバーバーフィッシュが行っているようで、クレオフィッシュがさかんに掃除をお願いしていました。バーバーフィッシュはとても忙しそうでした。二本目・三本目でBLACK STRIPED SALEMAの群れとバラクーダの群れが見つかり、これまで見たことも無いような巨大なキハダマグロが数匹でアタックしているシーンを見ることができました。さすがはガラパゴスといった感じのダイビングでした。四本目には、数十匹のモブラの群れを見かけましたが、すっかり夕方で暗くなってしまい、透明度の悪さも手伝ってダイビング後半はほとんど何も見えないような状態になってしまいました。水温は25~26℃でした。

7日目

午前中はサンチャゴ島(Santiago Island)の隣にあるカズンズロック(Cousin's Rock)で二本のダイビングでした。ここは、タツノオトシゴとイザリウオが見られるポイントですが、カマスの群れやマダラトビエイ、カツオなどの大物も見られました。アシカとも遊べます。クレオレフィッシュが海底一面に寝ていたのが印象的なポイントでもありました。ここも透明度はよくありませんでした。水温は25℃でした。


かなりの数の階段があります

昼食後にバルトロメ島(Bartolome Island)に行って、まずはガラパゴスペンギンとのシュノーケリングです。ところが、ペンギンの数が少なく水中で見れたのは一瞬でした。あとはボートの上から陸に上がって休んでいる姿を見ることにしました。食事に出かけているのか、それとももともと少ないのかはわかりませんが、とにかく数は少なかったです。シュノーケリングでの上陸は許可されていないので、ペンギンがいる岩に登ることはできません。

シュノーケリングのあとはバルトロメ島に上陸です。上陸できるポイントは、ペンギンがいる場所とは異なっています。バルトロメ島で見られる動物は少ないですが、ここでは山の頂上まで登って眺望を楽しむところになっています。保護のために木道が整備されています。私たちが登ったころは、すでに夕方になっていましたが、それでもかなり暑かったです。うわさによると300段とちょっとの階段があるそうですが、頂上からの眺めは格別です。


8日目

午前中にサウスプラザ島(South Plaza Island)に上陸しました。ここではガラパゴスリクイグアナをすぐ近くで見ることができました。上陸ポイントの反対側は崖になっていて、海鳥たちがたくさんいます。サボテンがたくさん生えていて、島によって生育している植物がかなり違うことに気づきました。この島にもガラパゴスアシカがたくさんいました。

※ガラパゴスには二種類(ガラパゴスリクイグアナとサンタフェリクイグアナ)が生息しているそうなのですが、サンタフェリクイグアナはサンタ・フェ島でしか見られないようです。


寄っても逃げません

有名なウミイグアナ

上陸後にゴードンロック(Gordon Rocks)でダイビングを一本しました。ここはもとは火口だったようで、岩が円を描くように配置されています。今回のダイビングでは、この内側を潜ることになりました。岩と岩の間にパスがあって、そこではかなりの流れがありました。最後にハンマーをリクエストしてあったので、しばらく内側で待つことになりましたが、結局ハンマーは現れませんでした。その後内側に沿ってダイビングをしましたが、何も出ないため、途中からパスを抜けて外側を進むようにしました。しばらくして、Golden Cowrayの7~8匹の群れを見ることができました。水温は25℃で、ここも透明度はいまいちでした。これでガラパゴスのダイビングも終わりです。


巨大なゾウガメたち

機材はスタッフがすべて洗って干してくれました。その後、船はサンタクルス島(Santa Cruz Island)のプエルトアヨラ(Puerto Ayora)で停泊し、下船してダーウィン研究所に向かいます。ここの桟橋にはたくさんのウミイグアナがいます。写真をとるならここが一番簡単かもしれません。ダーウィン研究所ではガラパゴスゾウガメに会うことができます。ガラパゴスゾウガメは世界最大の陸ガメだそうでですが、大きいからなのか動きもかなりゆっくりとしています。

ダーウィン研究所のあとは、プエルトアヨラの街で自由時間です。おみやげ屋がたくさんありました。その後、船に戻って荷物の片付けをしてから、カクテルパーティが船内でありました。この場で、今回のダイビングのビデオが上映されました。このビデオはDVDとして$65で購入できます。Puerto Ayoraでは入港税として一人当たり$70かかります。これはアグレッサーで支払うのですが、クレジットカードが使えました。アグレッサーへのチップもクレジットカードで支払うことができます。

※クレジットカードが、たまにセキュリティの問題からか使えないことがあるので、安全のために複数持参すると良いかもしれません。

カクテルパーティの後は、再び街に戻って夕食です。料理がなかなか出てこなくて凄い時間がかかりましたが。その後は船に戻ってサンクリストバル島(San Cristobal Island)に戻りました。

9日目

公園のイグアナ

アグレッサー下船後、エアロガル航空(2K31)でサンクリストバル 12:30発→グアヤキル15:00着。ホテルはHAMPTON INN GUAYAQUILでした。ヒルトンの系列のようです。街にイグアナのいる公園があって、たくさんのイグアナを見ることができます。どれも近づいても逃げませんでした。すっかり人間に慣れているのでしょうか?

10日目

コンチネンタル航空(CO818)にてグアヤキル 0:55発→ヒューストン 6:07着。グアヤキルで空港使用税として一人当たり$25支払います。これは現金のみ可でした。ヒューストンで入国して預け荷物を受け取ってから税関を通過し、再び荷物を預けなおします。コンチネンタル航空(CO7)にて、ヒューストン 10:50発→ 成田 14:20+着。

11日目

成田には14:20着です。長かった(高かった)ガラパゴスのダイビング旅行もこれで終わりです。一番の目的だったハンマーの群れは撮影できませんでしたが、それ以外については陸・海ともに充実した内容だったと思います。

参考文献:藤原幸一『ガラパゴス博物学』データハウス、1993年

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