Palau

2009年の年末から2010年の年始にかけて行ったペリリュー島(パラオ)の旅行記です。ペリリュー島は、3月に続いてこれで4回目です。今回のターゲットは満月付近に大きな群れを作って産卵するバラフエダイです。

情報
利用したダイビングセンターの情報 : デイドリーム (DayDream) 利用したホテルの情報 : アイランドイン (Island In) パラオの情報 パラオのダイビング情報

旅行前

3月にパラオのペリリュー島で見たイレズミフエダイの産卵シーンに感動した私達は、ペリリューで見られるもう一つの産卵シーン、バラフエダイの群れと産卵シーンを見たくなり、再びペリリュー島に来ることにしました。バラフエダイは満月前後ぐらいに産卵するそうなのですが、丁度2010年の元旦が満月で、年末年始にぴったり合います。サービスは前回同様にデイドリームのペリリューステーションです。ホテルは、前回宿泊したアイランド・テラスは満室だったため、アイランドインに泊まることにしました。

これまでペリリューではブルシャークカマストガリザメを何度か見かけてはいるのですが、なかなか撮影できていません。バラフエダイの産卵でも、ブルシャークやカマストガリザメがやってくるそうなので、なんとかして写真におさめて、魚図鑑に追加したいところです。

1日目

今回もパラオまではコンチネンタル航空を利用しました。CO962で成田(11:05)→グアム(15:35着)に到着です。数日前にアメリカでテロ未遂があったらしく、セキュリティを強化しているとのことでした。搭乗時には全員が荷物チェックとボディーチェックを受け、着陸一時間前からはトイレ使用禁止、機内エンターテイメントも終了、着陸時には毛布も使用禁止になっていました。おかげで、ビデオが最後まで見られませんでした...


成田→グアムの食事

グアム→コロール間の軽食

グアムで4時間ほど時間をつぶして、CO953でグアム(19:55)出発です。ゲートを離れたところで、これで無事に出発したと思い、安心感からちょっとうとうとした後に目を覚ましてみると、なぜかゲートにいます。あれ?と思っていると出発から一時間ぐらいしたところで、機材を変更して再出発するというアナウンスが入りました。どうやら機材トラブルがあったようです。結局二時間ぐらい遅れての出発となりましたが、少なくともキャンセルにならなくて良かったです。グアムから先はセキュリティ強化の影響はありませんでした。


ウエストプラザホテルの送迎バス

パラオのコロールには二時間遅れの23時ごろに到着しました。ホテルはウエストプラザホテルのデセケルです。すでに午前0時ぐらいになっていたので、バタンキューで寝てしまいました。カメラのセッティングとかは明日の朝にやることにしましょう。

2日目

ホテルピックアップは7:30とのことだったので、6:00ぐらいに起きてカメラ・ビデオのセッティングやダイビング器材の準備をしました。ペリリュー島に到着後は、そのままダイビングに行くことになるので、あらかじめホテルに運んでもらう荷物とダイビングに持っていく荷物に分けておく必要があります。

最近になってペリリュー島までは、これまでのカープ経由ではなく直接向かうようになったので、ボートはデイドリームのコロール店の桟橋から出発します。ペリリュー島のノースドックまでは約1時間で到着です。ここでダイビングの送迎用の車に乗り換えます。なんと今回は、いつもの車だけでは乗り切れないため、マイクロバスをレンタルしているとのことでした。そのマイクロバスもほぼ満員です。デイドリームのペリリューステーションは盛況のようです。ボートも3隻でるようでした。

キャンベックに到着してみると古い桟橋が撤去されていて、新しい桟橋を作っていました。これまで、なかなか取り掛からなかったらしいのですが、この年末になって工事を再開するのも不思議ですね。ボートは奥のほうに新しく作られた桟橋にとまっていました。


マイクロバスでの送迎でした!

なぜに年末に工事を?

午前の一本目はPeleliu CutからCornerへのドリフトでした。早速バラフエダイの群れがいましたが、そんなに数が多いわけではありませんでした。Corner付近にいつものロウニンアジの群れです。これまでのペリリュー島でのダイビングでは、30mよりも深いところにいることが多かったのですが、今回は20mぐらいの浅めでみられました。

二本目はPeleliu Express側からCornerへのドリフトダイビングでした。Express側にはバラフエダイはいないようなのですが、そのかわり途中にオグロメジロザメがたくさん泳いでいる場所があります。そこでしばらく待っていると、目の前(といっても少し離れていましたが)を一回り大きな全身灰色のサメが通過していきました。なんかオグロと違うような...これはブルシャークではないですか!すっかり油断していたため、撮影の準備ができていませんでした。構えたときには、すっかり遠くまで泳いでいってしまいました。残念~。これまでのペリリューダイビングではなかなか見ることが出来なかったのですが、まさか目の前を通過していくとは...その後、Cornerまで流したところでロウニンアジの群れ。今度はかなり近づけました。相変わらず20mぐらいにいます。これまでに何回かペリリューにきて、ロウニンアジの群れを何度かみましたが、いつも深場にいて、そのたびに40m近くまで潜って撮影して浮上なんてことをしていましたが、これまでの苦労は何だったんだろうと思うぐらいに簡単にロウニンアジの群れが見られました。しかしながら、途中でサメ待ちして最後にロウニンアジの群れと出会ってしまったためにDECOがでてしまいました。

ロウニンアジの群れ
NIKONOS-V 15mm
ロウニンアジの群れ
NIKONOS-V 15mm

ここで昼食です。デイドリームの昼食はキャンベックでのビュッフェ形式(とは良くいいすぎかも)です。あいかわらずハエが多いのが難点です...

午後のダイビングは、Peleliu CutからCornerへのコースでした。ガイドの遠藤氏の指示に従いながら、バラフエダイをCut付近から徐々に追い込んでいって大きな群れにします。皆、的確に指示通り動いたせいかうまく追い込んでいくことができました。Corner付近では、下にサメ、上にロウニンアジという状況になっていました。

これで今日のダイビングは終了です。車でホテルに送迎してもらうと、部屋には荷物が置かれていました。今回の宿泊先はアイランドインです。いつの間にか器材を洗って干す場所が、新しく作られていました。最近になって近くにアイランドテラスができて、人気がそちらに集中していることもあって、対抗して作ったという噂ですが、確かに便利になりましたね。シャワーの出も良くなったような気がしましたが、これは気のせいだったかもしれません。前回はアメニティが何も用意されていませんでしたが、今回は石鹸が置かれていました。といっても新品ではなかったので、ひょっとすると前の宿泊者の残りだったのかも??疲れていたので、夕食後はすぐに寝ることにしました。


二階が宿泊施設になっています

新しくできた洗い場。裏にあります
3日目

朝早くから出発

早朝ダイビングは5:30ピックアップです。アイランドインでは早朝のニワトリの鳴き声が相変わらずでした。朝の3~4時ぐらいから鳴きはじめていたような気がします。これも旅行後半には気にならなくなるのですが...。虫刺され対策でホテルでウェットスーツを着て送迎のバスに乗り込みます。キャンベックでボートに乗ったところで、タンクが足りないということで取りに行ってくるのを待つことになりました。折角、早く起きたのですが...早朝ダイビングはバラフエダイのいるCut側は流れがイマイチということで、Peleliu Express側から流すことになりました。今回もCorner付近でロウニンアジの群れを見ることが出来ました。ほぼ毎回見れていますね。

戻ってきて朝食です。通常はMAYUMIで朝食を食べるようになっているのですが、$8もする割にはパン+卵+ベーコンぐらいしかないので、前回同様に今回も自分達で用意することにしました。2007年の年末にペリリューで潜ったときに一緒だったたまごさんも来ていたので、一緒に朝食を作りました。

午前の一本目はPeleliu ExpressからCornerに流しました。ガイドは加藤氏でした。遠藤チームはCut側からバラフエダイを追い込むとのことだったので、Corner付近で追い込んでくれたバラフエダイとロウニンアジを見るという作戦です。途中、流れを避けるためにドロップオフ沿いを一列で進んだりと、なかなかハードでしたが、Cornerではバラフエダイとロウニンアジの群れを見ることが出来ました。最後に、リーフから離れながら近づいてきたロウニンアジの群れに突入です。おかげでロウニンアジの群れに巻かれることが出来ました。これまでロウニンアジの群れにはなかなか近づけなかったのですが、群れに巻かれるなんて...素晴らしいダイビングでした。ガイドの加藤さんに感謝です。

二本目はCutからCornerに流します。一チームでバラフエダイを押し込むのですが、リーフの上と、沖側と、深い側をダイバーで押さえなければならないので、なかなか大変です。沖側担当のダイバーもかなりリーフから離れたところまでいって抑えていました。深い側はガイドが担当することが多く、ガイドの加藤氏がときおり急潜行してバラフエダイを押し戻していました。Corner付近まで押し込んだところで、バラフエダイとロウニンアジの群れのコラボレーションを見ることが出来ました。

バラフエダイは少し警戒心が強いようで、すぐ目の前まではなかなか近づけません。ある一定の距離を常にキープされるような感じでした。前回のイレズミフエダイの群れは、ほんとに群れの中に入れるぐらいまで寄れたのですが、魚によって少しずつ違うのが、また面白いですね。このある一定の距離をキープするがゆえに、バラフエダイを押し込んでいって、大きな群れにすることができるようです。時にはトルネードのような群れになることもあります。

バラフエダイの群れ
NIKONOS-V 20mm
ロウニンアジの群れ
NIKONOS-V 20mm
ロウニンアジの群れ
NIKONOS-V 20mm

いろいろなタンクがあります。

午前の二本が終わったところで昼食です。デイドリームのタンクには大・中・小だけでなく重いタンクと軽いタンクがあるのでウエイトをその都度調整する必要があります。最初に重いタンクでウエイトを調整した後に、軽いタンクを使用したときには安全停止で浮きそうになってしまいました。タンクにはアルファベットで記号が書いてあるので、覚えれば自分で調整できます(私達は毎回ガイドに聞いていました)。

午後のダイビングは、一隻がブルーコーナーに向かい、他の二隻はPeleliu DropからCutまでを流しました。以前の漂流事件後、ガイド同士のとりきめで、午後はPeleliu Cornerではダイビングをしないことにしているらしいので、午後のダイビングはのんびり系になります。途中で深いところにイソマグロの7~8匹ぐらいの群れを見たぐらいで、あとは何もでませんでした。最後のCutの付近でバラフエダイの群れを見たところでエグジットでした。

4日目

バラフエダイの産卵シーンを狙うため、この日の早朝ダイブのピックアップは5:00でした。なかなかハードです。まだ暗いうちから車に乗り込みます。月はほとんど満月になっていました。


ポイントで明るくなるのを待ちます

エントリーポイントの付近で、日の出を待ちます。あまり早すぎると、まだ産卵していないそうです。少し明るくなってきたところでPeleliu Cornerでエントリーです。バラフエダイが壁のように群れています。しばらくして、群れの上の方で産卵が始まりました。イレズミフエダイのときと同じように、一匹が突然上のほうに泳ぎだすと、数匹がそれについていって産卵・射精が行われます。産卵が行われた付近は白く濁っています。次々と産卵が行われていました。イレズミフエダイのときには、かなり流れのある中での産卵でしたが、今回はCorner付近はあまり流れもなく、中層に少し浮いた状態で産卵シーンを見ることが出来ました。ところどころで、カマストガリザメがバラフエダイの群れに突っ込んでいっていました。なんかすごい壮大なシーンを見てしまったという感じです。産卵シーンはすごい迫力ありますね。

午前の一本目のガイドは加藤氏で、遠藤チームが追い込んでいったバラフエダイを、後からエントリーしておいしいところだけいただくという作戦でした。私達がペリリューに入ったときには、三隻のボートがでていて、ガイドは遠藤氏、加藤氏とドゥディウがそれぞれ担当していました。通常、遠藤氏とドゥディウが同じポイントに潜り、加藤氏は別のポイントか、一緒にならないようにコース取りをしているようでした(早朝で産卵を狙う場合には、三隻とも同じポイントでした)。

すでに遠藤チームがバラフエダイを押し込んでいて、Corner付近にはバラフエダイとロウニンアジの群れです。遠藤チームが浮上した後に、Cornerにロウニンアジが向かってきたので、群れを満喫することができました。

バラフエダイの群れ
NIKONOS-V 20mm
バラフエダイの群れ
NIKONOS-V 20mm

二本目もCorner付近でロウニンアジの群れが見れましたが、残念ながら近づくことはできませんでした。

二本終わったところで昼食です。前回の三月のペリリューではサンドフライに随分と悩まされましたが、今回はほとんどいませんでした。年末年始は少ないのでしょうか?天気も初日こそ少し雨が降りましたが、その後は晴れが続いています。ペリリューはこれで4回目ですが、これまでで一番天気に恵まれているような気がします。


この日の昼食

味噌汁もつきます

午後のダイビングはYellow WallからExpress経由でCornerまで流すコースでした。途中からブルーウォーターダイビング状態で何も出ず。Express付近でグレーリーフシャークがたくさんいましたが、ブルシャークはいませんでした。Corner付近にはロウニンアジの群れがいましたが、すでに安全停止状態でとても追える状態ではありませんでした。


年越しそば

この日の夕食には、年末ということで年越しそばがでました。またキリ本を潜った人のお祝いもありました。ペリリューで潜っている人達は、いずれも相当な経験者で、500本、700本と900本のお祝いでした。皆さん、すごい潜っていますね~。ログ付けは、通常はダイビングセンターでやるのですが、年末年始はゲストが多くて入りきれないということで、MAYUMIでの夕食後にやっていました。ほとんどのダイビングは、最終的にPeleliu Cornerまで流して、バラフエダイとロウニンアジの群れを見るような感じなのですが、コース取りなど改めて説明を受けると、いろいろと工夫しているんだなぁと思いますね。

5日目

今日も早朝はバラフエダイ狙いで5:00ピックアップです。ポイントで明るくなってくるのを待ちます。昨日は、エントリー時にはまだ産卵していなかったということで、10分ほど遅らせてのエントリーでした。


満月が西の空に見えます

まだ日の出前です

エントリーしてすぐにバラフエダイの群れです。しかしながら、昨日ほどは産卵していないようでした。下のほうにもサメはいないようです。しばらくして上のほうで産卵しているあたりにサメがでてきました。撮影したくてもなかなか近づくことが出来ません。そうこうしているうちに浮上の時間になってしまいました。残念、サメの写真は撮れなかったと思っていたところ、リーフから離れての浮上中にサメが近づいてきてくれました、どうやらブルシャークのようです。ラッキーです。でもブルシャークは、三大危険ザメの一つらしく、ガイドから中層を単独で泳いで遭遇しないように言われていたので、ちょっとビビリながらサメを追ったため、近づききれませんでした。サメはすぐに逃げていきましたが...もう少し追っても良かったかも。

午前の一本目はPeleliu ExpressからCornerへのドリフトでした。途中のサメがたくさんいるところではグレーリーフシャークのみでした。最後のCornerでロウニンアジの群れ。ここでガイドの遠藤氏がフロートを使ってロウニンアジの注意を引いたところ、群れがこちらの方に向かってきてくれました。ここでリーフから離れて群れに突入です。ロウニンアジの群れに巻かれることができました。ロウニンアジを引き寄せるなんて、さすが遠藤マジックですね。

ロウニンアジの群れ
NIKONOS-V 20mm
ロウニンアジの群れ
NIKONOS-V 20mm

二本目はPeleliu CutからCornerへ流しながら、二チームでバラフエダイを追い込みました。しかし、バラフエダイの数が減っていて、群れも小さくなっていました。Corner付近では、今回もロウニンアジの群れを見ることが出来ました。


快晴でした

これで今回のダイビングも終了です。昼食を食べた後、送迎の車でホテルに戻って、荷物を積んだ後、ノースドックからコロールへ船で戻りました。行きと比べて波が少し出ていたため、船が揺れましたが、天候は良く雨に降られることもなく、無事にコロールに到着しました。

ホテルに送ってもらった後に、ダイビング器材を簡単に洗ってベランダに干します。通常は早朝ダイビングまでやって、その日のフライトで戻るのですが、私達はコロールで一泊して窒素を抜いてから帰国するようにしています。この場合、午前の二本までダイビングができますが、そのかわり器材を洗う暇がないので、コロールにもどってからホテルで干す必要があります。フライトは夜中の1時ぐらいなので、早朝ダイビングをやっても20時間は空くのですが、ペリリューのダイビングはなかなかハードなので、一日余裕を持たせるようにしています。

6日目~7日目(最終日)

朝食後にパラオ・パシフィック・リゾート(PPR)に移動しました。デイユースで利用します。天気も良くてリゾートでのんびりするのには最適な日でした。PPRの前のビーチは、透明度も良くてシュノーケリングをするにも良いところです。

これまで何回もシュノーケリングで魚図鑑用の写真を撮ってきましたが、何種かは初めての撮影でした。もう撮影しつくしたかなと思っていましたが、探してみるといろいろといるものですね。

夜の11:00にネコシャトルで、PPRから空港に移動して、ヤップ・グアム経由で日本に帰国しました。グアムでのトランジットは朝の5時ぐらいでしたが、セキュリティチェックのポイントは長い列になっていました。コンチネンタル航空でのパラオは、このグアムでのトランジットが面倒ですね。

今回のペリリューは、目標だったバラフエダイの産卵シーンや、それを狙うサメなどが見れた上に、なによりもこれまでに見るのに凄く苦労していたロウニンアジの群れに何度か巻かれたこともあって、とてもいいダイビングを楽しむことが出来ました。天気も良く、海況も良く、これまでで最高に良かったのではないでしょうか?パラオの良さを再認識した旅行でした。

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